抄録
植栽水路水質浄化施設の酸化装置として間欠鉛直流式人工湿地(VF湿地)を返送過程に組み込み,その能力の評価を行った.その結果,VF湿地において5~15L・s-1・m-2の流下速度があり,CECが20cmol・kg-1以上で,ろ材設置1週間から1ヶ月の間にNO2-N濃度の上昇が見られるろ材において高い酸化能力を示した.このことから,ろ材へのNH4-N吸着→硝化細菌による硝化→ろ材からの溶脱というプロセスが,約45分の自動サイフォン作動サイクルの中で行われることが示唆された.VF湿地によって硝化が進んだ流出水を,排水流入口付近に返送することで,脱窒による窒素除去が見られた.間欠鉛直流式人工湿地は,適したろ材を用いることで,省エネルギー型水質浄化酸化装置として有効である.