農業農村工学会論文集
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研究報文
非灌漑期の農業水路における魚類の越冬場造成の試み
皆川 明子髙木 強治須戸 幹小谷 廣通岩間 憲治金木 亮一
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キーワード: 水田, 魚類, 越冬, 水深, カバー
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2012 年 80 巻 5 号 p. 445-454

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抄録

農業水路に魚類の越冬のための深みを造成し,深み造成前後で物理環境条件および魚類相を比較した.調査を行った3地点のうち1地点は2008年から深みが存在していた.残る2地点のうち1地点には堰上げにより30cmの深みを1か所,他の1地点には掘削により水深60cmの深みを2か所新設し,後者では一方を「カバー有」,もう一方を「カバー無」とした.また,採捕個体には調査の時期と深みによって異なる標識を付け,越冬個体の移動について調査した.その結果,越冬期である12月および越冬後の3月には,深みを造成した地点では深み造成後に種数,生息密度,多様度指数の増加が見られた.また,「カバー無」と比べて「カバー有」の深みで生息密度が高くなり,標識個体のうち深み間を移動したものは全て「カバー無」から「カバー有」の深みへの移動であり,魚類の越冬に対してカバーが有効と考えられた.

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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