農業農村工学会論文集
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研究報文
ハクサンハタザオ(Arabidopsis halleri ssp. gemmifera)を用いた黒ボク土畑の浄化による土壌Cd含有量変化の推定手法の検討
亀山 幸司谷 茂塩野 隆弘宮本 輝仁
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2012 年 80 巻 6 号 p. 543-548

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抄録

植物を用いた土壌浄化(ファイトリメディエーション)の適用にあたっては,対象圃場において浄化期間がどのくらいに及ぶかを把握することが非常に重要である.また,浄化期間を推定する際には,栽培回数による土壌カドミウム含有量変化の推定と土壌カドミウム含有量の修復目標値の設定が必要である.本報告では,ポット試験と1作の圃場試験の測定結果からハクサンハタザオを用いた黒ボク土畑の浄化による土壌カドミウム含有量の変化を推定する計算手法の構築を行った.そして,推定結果と3作の圃場試験の測定結果の比較により,計算手法の妥当性について検討を行った.その結果,ポット試験と1作の圃場試験から求められた植物体カドミウム濃度予測式を用いた場合,ハクサンハタザオを用いた黒ボク土畑の浄化による土壌カドミウム含有量の変化が比較的良好に推定可能であった.このため,今後,土壌カドミウム含有量の修復目標値を設定することにより,算定結果から浄化期間の推定が可能となると考えられる.

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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