抄録
野外の河川敷地点でスタミナトンネルを用いてシロウオの遊泳能力,および尾部の動きと遊泳速度に関する実験を実施した.遊泳能力の実験では遊泳速度と遊泳時間,遊泳距離の関係,尾ひれの動きに関する実験の解析には高速度カメラを用い,尾ひれの動きと振幅,尾ひれの振動数と遊泳速度の関係についてそれぞれ検討した.その結果,体長4cm台のシロウオの遊泳速度と遊泳時間に関する遊泳曲線式を得た.シロウオの尾ひれの振幅と全長との比は,尾ひれの振動数や遊泳速度が増加してもほぼ一定でその値は0.13であった.シロウオは尾ひれを1s間に5.8~35.4回振って全長の2.7~27.8倍の速さで泳ぎ,遊泳速度との間に比例関係が認められ,遊泳速度と尾ひれの振動数に関する実験式を得た.