抄録
ジオポリマー作製において使用する火力発電所から産業廃棄物として出されるフライアッシュ(石炭灰)は,種類によって低強度のジオポリマーとなる.そのフライアッシュ(松浦JIS灰)に製鉄所の副産物として発生する高炉スラグ微粉末を添加することにより強度は著しく向上し,圧縮強度が最大になったのは,松浦JIS灰:高炉スラグ微粉末を8:2として作製したM8S2ジオポリマーであった.次に,冬季に作製したM8S2ジオポリマーの圧縮強度は,夏季作製の場合の強度を超えることがなかったことから,約20℃以上の場合にM8S2ジオポリマーは強度向上が顕著になることが明らかとなった.また,本論ではM8S2ジオポリマーの圧縮,引張,曲げ強度および化学組成,SEM観察から,強度向上について考察した.