キャパシタンスセンサーが土壌水分測定に広く利用されるようになってきた.この新しい土壌水分測定技術の畑地灌漑の計画基礎緒元の算定のための適用性を確認するため,2011年と2012年の7月から9月までキャパシタンスセンサーとテンシオメータを用いて土壌水分測定を行い,それぞれの測定法で得られた土壌水分量を比較した.その結果,キャパシタンスセンサーは湿潤時においてはテンシオメータと同等の計測が行えること,pF3.0以上の乾燥時においても作物による吸水を含めた土壌水分の変動をとらえられることが確認された.更に,計画基礎緒元の算定を行った結果,キャパシタンスセンサーでは乾燥時の消費水量の算定が可能なこと,キャパシタンスセンサーの実測値をもとにした総容易有効水分量(TRAM)はテンシオメータの場合とほぼ同様のものが得られることが確認された.以上より,操作性が簡便なうえ,乾燥時にも測定可能であり,維持管理も容易なキャパシタンスセンサーは畑地灌漑の計画基礎緒元の取得にも有用な測定法となると考えられた.