農業農村工学会論文集
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研究報文
八郎潟干拓地におけるコミュニティ形成の実態と課題
― 農業従事者・非農業従事者のパーソナル・ネットワークの分析を用いて ―
桒原 良樹中島 正裕
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2014 年 82 巻 1 号 p. 37-46

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抄録
本研究では,八郎潟干拓地(秋田県大潟村)において農家・非農家を対象に,居住経緯の解明,交友関係形成の機会の解明,パーソナル・ネットワークの分析による交友関係の構造の解明,今後のコミュニティの形成に向けた課題の析出,を行い,以下の結果を得た.1)交友関係形成の機会は「仕事」「子供」「テーマ型組織」「地縁型組織」「同級」に分類した.2)農家を中心としたコミュニティは維持されている一方で,農家・非農家間の交友関係は十分に形成されていない.3)“時間面の壁”(ライフスタイルが異なる)および“空間面の壁”(住区が異なる)が農家・非農家間の交友関係形成を阻害している.4)子供またはテーマ型組織を介した交友関係の形成が農家・非農家間の親和性向上に影響を与えていると考えられる.
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© 2014 公益社団法人 農業農村工学会
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