抄録
地震等で発生した地盤の亀裂に,石灰水のような電解物質を注入し,亀裂に対して平行な測線および直交する測線で2次元電気探査を注入前後に行い,亀裂範囲を簡易に推定する手法を提案する.ここでは,亀裂範囲の推定に対して,2次元電気探査から得られる推定結果の特徴を数値実験により調べ,屋外試験においてその適用性を検討する.数値実験では,亀裂に平行な測線において,比抵抗変化がある水平範囲はモデル亀裂長さに対応した.亀裂に直交する測線においては,亀裂長さより亀裂深さが大きい場合は推定深さと実深さの相関は悪くなるが,亀裂長さより亀裂深さが小さい場合は,注入材料の深度方向への広がりを推定できることを明らかにした.屋外試験においても,亀裂の水平方向の広がりを推定できること,亀裂長さより亀裂深さが小さい場合は注入材料の深度方向への広がりを推定できることを確認した.以上の結果から,亀裂に平行な測線からその水平範囲を推定し,その結果に基づいて直交する測線から鉛直範囲を推定できることを示した.