根混じり土の挙動を理解・予測することは,作物の倒伏や植物根の地盤強度への影響を理解する上で重要である.本論文では,根混じり土の力学挙動の理解・予測を目指し,新たに開発した室内抜根試験機により根-土接触面のせん断挙動特性の把握を試みた.試験は既存の摩擦試験結果との比較を目的にまず鉄-ケイ砂に対して行い,その後,引抜き材料のみをバルサに変更して強度係数の変化を調べた上で,オオムギ根-水田土に対して抜根試験を実施した.得られた強度定数により接触力学に基づくモデル化を適用した.結果として,いずれの試験においても境界面のせん断強度を測定しCoulombの破壊基準が良好に適用できた.また,接触力学に基づく定式化によりピーク強度に至るまでのせん断挙動特性を表現できた.以上より,根-土接触面せん断挙動特性の把握とその簡単なモデル化を達成した.