農業農村工学会論文集
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研究論文
青森県屏風山砂丘畑におけるナガイモ生育期間中の多灌水処理が土壌中における物質の溶脱・集積に及ぼす影響
遠藤 明川崎 通夫渋谷 恵美子加藤 千尋佐々木 長市
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2018 年 86 巻 2 号 p. I_255-I_263

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抄録

本研究は, 国営屏風山開拓建設事業により青森県屏風山地域に造成された大規模畑作圃場において, ナガイモの塊茎障害の発生因子を特定することを最終的な目標としている.そこで, 多灌水が土壌中の水溶性イオンの時空間的な動態に及ぼす影響を明らかにするため, ナガイモ作付け圃場に, 対照区と多灌水処理区の各試験区を設置した.深暗渠が敷設された当地域の車力工区のナガイモ作付け圃場における両試験区の深度10, 30, 50, 70, 100および150 cmの土壌間隙水を採取した.そして, ナガイモ生育期間中における各深度の土壌間隙水中の水溶性イオン種成分, pH, ECの各水質項目を測定した.その結果, 降水および灌水パターンに応じた物質の溶脱と集積を受け, 対照区では8月中~下旬の深度10~30 cmにおいて100 mg/L以上のNO3-含量で推移し, 多灌水処理区では8月下旬~9月上旬の深度50 cm付近を中心に100 mg/L以上のNO3-含量にのぼることがわかった.以上のことから, ナガイモ生育期間中の降水および灌水パターンに対応する土壌中に存在する物質の時空間的動態の詳細が明らかになった.

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© 2018 公益社団法人 農業農村工学会
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