曝気スラリーおよび消化液が, 最大8年間散布された採草地で草地土壌表層の化学性, 牧草品質を調査した.草地土壌表層では, 特にカリウムが過剰であったが, 牧草のカリウムは適正な範囲で, ミネラルバランスは良好であった.ただし, 牧草のマグネシウムは栄養診断基準の下限値に近かった.これは, 草地土壌表層のカリウム過剰による牧草のマグネシウム吸収抑制が理由と考えられ, 土壌分析に基づく減肥が求められる.曝気スラリーおよび消化液を散布している圃場では, 表層土壌の亜鉛や銅は, 経年的に増加すると推察されたが, 非散布圃場と比較して有意な差は見られなかった.