凍結融解試験後のモルタル供試体の水流摩耗試験を行い,凍結融解作用がモルタルの耐摩耗性に与える影響を調べた.AE剤を添加した供試体の水中凍結融解試験後の相対動弾性係数は90%以上を保持しており凍結融解による劣化の程度は小さい.一方,AE剤を添加しない供試体の水中凍結融解試験後の相対動弾性係数は打設面で40%未満,底面では70~80%,中心部では80~90%となり,打設面の相対動弾性係数が最小となった.このように部位により大きな差が生じた.AE剤の添加によりモルタル供試体の耐凍害性は著しく向上した.凍結融解試験前の供試体の平均摩耗深さは,水セメント比が小さく表層品質が緻密であるものほど小さい.凍結融解試験後の供試体の平均摩耗深さは,凍結融解作用により供試体表層の相対動弾性係数が低下し組織の脆弱化が大きなものほど大きい.