農業用水路の目地補修工法には,施工の容易さや経済性の観点から1成分形シーリング材を使用した目地充填工法が多く採用されている.しかし,1成分形シーリング材は背面水の影響によって施工後早期に膨れや破断,漏水といった変状が生じることがある.本研究では,水路用のシーリング材を対象に,硬化確認試験と背面から水圧を作用させる耐水圧試験を実施し,若材齢シーリング材に発生する変状が止水性に及ぼす影響について評価した.その結果,各シーリング材は0℃の低温下では23℃よりも1~2週間程度強度発現が遅くなった.また,作用水圧が0.02MPaよりも高くなると1成分形および2成分形シーリング材は風船状の膨れや破断が発生し,止水性が低下する傾向を示した.一方,硬化速度が速い3成分形シーリング材は水圧による変形に対して抵抗性が高いことが分かった.