北海道の水田地帯に整備されている暗渠清掃用施設「集中管理孔」を,ダイズならびに秋まきコムギへの地下灌漑として利用する方法を検討した.ダイズ,秋まきコムギの吸水量が多い時期に,根域の土壌水分張力が-31 kPa以下になった時点で設定水位を地表下 30 cmとし,設定水位到達から1日後に排水する方法で地下灌漑を行った結果,生育量および子実重が増加し地下灌漑の効果が認められた.また土壌水分張力の観測データを用いて降雨後や地下灌漑後に,再び根域の土壌水分張力が-31 kPa以下の乾燥状態に至るまでの日数を算出した.その結果を用いて,ダイズでは10日,秋まきコムギでは15日以上,日単位で継続した期間に生じた総降水量が20 mm以上となる降雨がない場合に地下灌漑を実施するという判断手法を提案した.