2020 年 88 巻 2 号 p. I_313-I_321
軽油汚染土壌にジニアを栽培し,ジニアの生育状況,油汚染土壌の浄化効果および土壌の物理性の経時的変化を調査した.その結果,ジニアの草丈と地上部乾物重は,試験開始後40日目,80日目,120日目と時間の経過に伴って有意に大きくなった.また,土壌TPH濃度は,時間の経過に伴って濃度が有意に低くなった.土壌DHA量は,試験開始後80日目から120日目への時間の経過に伴い大きくなった.試験開始後40日目,80日目,120日目を通して,乾燥密度と間隙率はほぼ同様な値であったが,粗間隙率は時間の経過に伴い大きくなった.ジニアの根圏土壌やその周辺に生息する微生物のうち,油分解能を有する微生物が軽油成分を栄養源として,微生物の増殖など微生物の活性を高め,その微生物が軽油汚染土壌の浄化効果に寄与したことが考えられた.