農業用水路の目地補修工事では,施工の容易さや経済性の観点からシーリング材を使用した目地充填工法が多く採用されている.しかし,目地充填工法で使用するシーリング材の中には,施工後数年でひび割れや剥離といった変状が生じて,止水性が低下する材料がある.本研究では,従来の試験方法よりも長い期間水中浸漬を行った水路用のシーリング材を対象に,耐水性と引張特性を確認する試験を実施し,シーリング材の水中耐久性を評価した.その結果,変成シリコーン系シーリング材は吸水率と体積変化率が大きく,耐水性に劣ることが分かった.また,本試験に用いたシーリング材の中では,1成分形変成シリコーン系シーリング材およびポリウレタン系シーリング材は,短期間で引張特性が変化し,長期間の水中浸漬で接着性が大きく低下することが分かった.