本研究では大区画水田を対象にUAV画像から水稲のタンパク含有率の推定モデルを作成した.タンパク含有率と植生指数との相関を調べた結果,最も高い相関係数を示したのは,出穂後38日のGNDVIであった.出穂後38日のGNDVIを用いて単回帰分析した結果,推定精度は良好であった.推定モデルを用いて作成したタンパク含有率推定マップから,タンパク含有率は圃場整備前の区画に応じて明瞭に異なり,切土部よりも盛土部で高くなることが示された.タンパク含有率と同様に,土壌の可給態窒素量は切土部よりも盛土部で多くなった.以上のことから,本対象圃場では,圃場整備に伴う可給態窒素量の偏りによってタンパク含有率の差が生じたと考えられる.また,UAVを用いることで圃場整備によるタンパク含有率への影響を観測できる可能性が示唆された.