農業農村工学会論文集
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研究論文
評価構造モデルを用いた農業水路に対する選好性の決定要因の定量的分析
― 住民主体での維持管理作業が継続する 農業水路を対象とした研究 ―
廣瀬 裕一中島 正裕新田 将之
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2022 年 90 巻 2 号 p. I_291-I_297

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抄録

農業水路に対する選好性の決定に強く影響する要因を明らかにするために,滋賀県甲良町において評価構造モデルを用いた農業水路に対する評価を問うアンケート調査を行った.その結果,農業水路を流れる水がきれいと評価されること,多種の生き物が生息していると評価されること,住民によって農業水路がしっかり管理されていると評価されることが,農業水路に対する選好性の決定に強く影響した.出身地別に見ると,地元生まれは住民によって農業水路がしっかり管理されているとの評価が選好性に強く影響する関係が示された一方で,町外生まれは,多くの生き物が生息していることが最も強く影響し,水路が十分引かれていると評価すること,水量が十分流れていると評価すること,きれいな水が流れていると評価することが選好性に影響する関係が定量的に示された.

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© 2022 公益社団法人 農業農村工学会
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