土壌侵食量を推定するWEPPの入力項目には,土壌固有の侵食のされやすさを示す受食係数がある.受食係数は粒度と有機物含有率を変数とする推定式を用いて算出することが一般的であるが,この推定式は日本土壌には適用できない可能性がある.そこで本研究では,日本土壌に適用可能な新たな受食係数(リル受食係数,限界掃流力)推定式の提案を目的として,15地域の日本土壌を対象にリル侵食試験,液性・塑性限界試験,粒度試験等を実施した.その結果,非塑性土壌は塑性土壌よりもリル侵食に関する受食性が高いことがわかった.また,塑性土壌では,リル受食係数は塑性指数または砂含有率を変数として定式化され,限界掃流力は粘土含有率との間に概ね正の相関があった.一方,非塑性土壌では,リル受食係数と砂含有率に正の直線関係があり,限界掃流力は概ね一定値であった.