コンクリート開水路では,摩耗等によって表面粗さが増大することで水理性能の低下が生じる.機能診断の高度化を念頭に,本研究では深層学習モデルである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて,開水路表面の画像からその表面粗さを推定する手法の検討を行った.約3万枚の開水路の画像とその算術平均粗さのデータセットでCNNモデルの学習と評価を行ったところ,二乗平均平方根誤差(RMSE)が0.1 mm程度となる精度で開水路表面の算術平均粗さを推定できるモデルを得た.得られた推定モデルは,学習データの不足に起因する過学習が見られたものの,実用可能な精度と作業性を有していることが確認された.