1993 年 1993 巻 163 号 p. 87-94,a2
近年,畦畔の除草が水田の維持管理上の障害として濃家に強く意識されているが,従来,圃場整備技術の観点からこの課題が検討されたことはなかった。本論の目的は,畦畔の除草労働の実態を明らかにするとともに,除草労働の軽減化にとって圃場整備が規定的意味を持つことを示し,その技術的提案をすることである。
本報では,以下の諸点-(1)今日,畦畔の除草が課題となる背景,(2)除草の対象と労働の実態,(3)現場で行われている除草労働の軽減対策の実態,(4)除草からみた現在の圃場整備技術の特徴-を検討し,農業技術の近代化の中での畦畔の除草の位置づけと,除草労働の実態を概括し,圃場整備技衛の課題を明らかにした。