抄録
内部境界条件をPreissmann型陰差分法に適用するとき,条件式が複雑である場合には,通常のNewton-Raphson法では解が得られないことがある。そこで,代表的な四つの水理構造物を表す内部境界条件を対象に,解の収束を確実にする二つの方法を検討した。一つは,内部境界条件中の流量式を滑らかな関数で近似する方法で,もう一つは,収束計算の過程での予測補正値に倍率をかける方法である。両者には計算精度と演算時間に関して,おのおの長短があり,両者を組合せた方法が実用的であることが判明した。また,具体的な計算方法とそれによる計算を例示し,複雑な内部境界条件でも解の収束性が格段に向上することを示した。