抄録
裸地あるいはオオムギを栽培した鳥取砂丘土壌カラムにおける水・塩の動態と作物の要素吸収に及ぼす気温と地下水位の影響を調査した。気温と地下水位が高くなるにつれて土壌水分量と蒸発散量が増加し, 塩類集積量も増大した。土壌水分量, 蒸発散量と塩類集積量は概して, 栽培区が裸地区より多かった。また, 土壌カラム表層3cm以内の塩分濃度が著しく高く, 深さが増すに伴い急減する傾向がみられた。各カチオンの根群域の集積はオオムギによる吸収に影響を及ぼした。そのうち, Na含有率と根群域におけるNa集積量との間の相関が最も高かった。しかし, 生育に影響を及ぼしたのはNであった。