1994 年 1994 巻 172 号 p. 143-150,a3
石川県の木場潟を対象に,清浄な希釈水の導水による水質変化を予測する手順を示した。
水質解析に当たっては,物質収支モデル,汚濁拡散モデルと呼ぶ2つの単純なモデルを目的を区別して使い分けた。前者では,木場潟を1つの池として取扱い,水収支と物質収支の解析により必要な希釈水の導水量について検討した。後者では,木場潟を50 m間隔でメッシュ分割し,流れと拡散の解析により希釈水の導水位置による濃度分布を比較した。
水質解析において,包括的な汎用モデルの作成は,困難な場合が多い。複数のモデルの使い分けは,実用上,効率的な方法といえる。