1994 年 1994 巻 174 号 p. 41-48,a1
土壌の物理性をスケーリングするために従来使用されてきた相似多孔質体モデル(similar media concept)の限界を明らかにし,新しく固相特性長,間隙特性長および固相形状係数をパラメータとする非相似多孔質体モデルを提唱した.このモデルを用いて,数種の土壌の空気侵入値と飽和透水係数を乾燥密度に関してスケーリングし,空気侵入値と飽和透水係数のスケーリングが統一的に実行できることを示すとともに,飽和透水係数に関して,従来使用されてきたKozeny-Carmanの式に対する本モデルの優位性を示した.非相似多孔質体モデルの適用性は,固相形状係数の適切な決定にかかっているので,この係数の信頼性をさらに高める必要性を述べた.