抄録
2成層 (上層が細, 下層が粗) 湛水条件下で下層に発生するフィンガリング流について研究を行い, 実験例の少ない3次元モデルについて室内実験を行った. 予備的な実験の中で, 一つ一つが流路として発達するフィンガリングに着目し, 下層土の供試材としてガラスビーズ (0.600~0.355mm) を選んだ. つぎに上層の条件を変え, 上下層境界面に到達する浸潤フラックスの大きさと下層に発達するフィンガーの関係を調べた. その結果, フィンガー同士の融合が始まるまでは, 浸潤フラックスの大きさとフィンガー部の面積は線形な比例関係にあるが, 個々のフィンガーの大きさは変化せず, 数が増加し, 断面全体に広がっていく傾向にあることを明らかにした.