1996 年 1996 巻 185 号 p. 747-754,a1
ガレルキン法を基礎とした,流れと熱・塩分輸送の連成による密度流の非定常三次元有限要素解法を提示する.基底関数として,水平方向には線形二次元基底関数を,水深方向には流速と水温・塩分濃度の連続分布が求解できる多項式基底関数を用いる.時間方向には,流れ系に対するKawachiスキーム,熱・塩分系に対するFTスキームと流体の非圧縮条件を満たすための流速修正法を組合わせ用いることにより逐次積分する.多項式基底関数を用いる際に生じる圧力ボアソン方程式の解法の問題点に対し,新しく整合性手法を提案する.特徴的な密度流問題として,キャベリング効果と地形性貯熱効果を取上げ,仮想水体で再現計算を行い,モデルの適用性と有効性を検討する.