抄録
マトリック・フラックス・ポテンシャルφや水分フラックスfの変化に関する近似式を導き,差分解と比較した.まず不飽和透水係数がマトリックポテンシャルの指数関数で表される場合について,基礎式を近似的に変数分離し,φの非定常項やfが,時間の関数である排水速度rと分布形を表す深さの関数との積で近似できることを示した.地下水位が浅い場合のfは線形解の分布に近く,地下水位が深くなると深さの一次式で近似できる.これらの特徴は,一般的なBrooks and Corey型の水分特性の場合にも概ね成立した.これらのfの分布を用いて,水分収支式を基にrの時間変化も求められた.