抄録
八郎潟中央干拓地のヨシ群落地, 牧草畑地および第1次入植水田等において, ヨシおよび牧草によるヘドロ土層の乾燥の相違を明らかにする目的で, 各土壌断面における根量の深度分布,土壌の物理性(乾燥密度, pF値等)および化学性(SO42-,Cl-等)等の調査を行った. その結果, 主として,(1)ヨシ群落地では,深度20cmから100cmまでの土層に約83%, 牧草畑地では, 地表面から深度20cmまでの土層に約90%の根量がそれぞれ分布している,(2)根量の深度分布を反映して, 深度20cm以浅の土層では牧草畑地の方が, 深度50cm以深の土層ではヨシ群落地の方がより乾燥が進行している,(3)ヨシ植生による除塩効果が極めて大きい, こと等を明らかにした.