抄録
近年, 親水事業等が土地改良事業に含まれることが多くなっている. このような事業を行う場合, その効果の予測は困難になる. ここでは, 水利・親水事業における担当者の意思決定過程をモデル化, およびシミュレーションを行う. モデルは知識ベースを利用し, 入力データを印旛沼流域における事業担当者のアンケートから得て, 出力された結果を実際の意思決定結果と比較する. 知識ベースシステムはヒューリスティクスという, 経験的な判断機構を含んでおり, これにより担当者の経験的な判断等を含む意思決定過程を分析した. 結論として, 事業における意思決定過程を, 排除ルール, 効用加算ルールで構成されるヒューリスティクスとして表すことができた.