農業土木学会論文集
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EGMEによる粘土の比表面積測定の改良法
軽部 重太郎高野 友善
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1998 年 1998 巻 193 号 p. 101-109,a2

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抄録
CaCl2やEGMEの使用量を減らし, デシケーター内に入れる両者の最適な割合を決めて, EGME吸着平衡蒸気圧を一定にする改良法を検討した.CaCl2とEGMEの最適な割合はモル比でlog10 (EGME/CaCl2) +1=0.20であった.これは, 100gのCaCl2に対して12.9gのEGMEに相当する.具体的には, 約0.5gの粘土試料1個につき2.0cm3のEGMEと14.4gのCaCl2を用いて, 予想吸着量の約20倍のEGMEを直接試料に滴下し, 残りを別の容器にとったCaCl2に加えた.真空吸引はデシケーターを密閉するためだけに必要と考え, EGME添加後直ちに1分間だけ行った.EGMEとCaCl2との混合比を変化させないことと, EGMEを排出して室内の空気を汚染させないためである.脱着平衡時間は2~4日であった.脱着過程と吸着過程の平衡時のEGME吸着量はほぼ一致した.この混合比におけるEGME相対蒸気圧は単分子吸着量を実現する蒸気圧に極めて近いと判断された.種類の異なる3つの粘土に対して比表面積とEGME吸着量とはよい直線関係を示し, 換算係数は0.264mg/m2となった.この改良法によればCECの影響は小さいと判断された.
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