水辺・親水空間の有する多様な環境的価値に着目した整備が各地で活発に行われている.本報では, 人々のリクリエーション活動の場としての水辺の環境的便益を環境経済学の手法により定量化することを試みた.またその結果をその整備費用と比較することで, 水辺の環境的整備の妥当性について検討を加えた.その結果, 1) 対象とした2つの事例地区では, 人々が享受する消費者余剰額が500~600円という共通した結果を得られた.2) また両地区では, 整備費用を上回る便益が発生し妥当な水準で整備が行われていること, 3) さらに水辺の環境的整備が潜在的な環境的便益を顕在化させるのに有効であることが確認できた.