著者らはこれまでに年最大24時間雨量に基づく降雨の時間集中度の確率推定法を提案した.また, これを応用して年最大1時間雨量の簡便推定法を提案している.これらを用いることによって, 各測点の年最大1時間雨量の生起確率がどのような確率範囲に存在するかがわかれば, 年最大24時間雨量に対応する年最大1時間雨量を模擬発生することが可能である.
本研究では, 雨量資料がそろっている日本の気象官署 (120カ所) の年最大1時間雨量を用いて, その生起確率の発生範囲と年最大1時間雨量の推定にグンベル分布を利用するために必要なパラメータを求め, 地域的な特徴を調べた、各地の実測の年最大1時間雨量の平均値, 20年・50年確率値と本手法による推定値はいずれもかなり一致しており, 応用性の広いことが確かめられた.