沖縄の海域を汚濁している国頭マージの有機質資材混入による理化学性改善および侵食抑制への効果について検討し, 以下の結果を得た.沖縄県名護市で採取した国頭マージは主にハロイサイト, ゲータイト, 雲母様鉱物, 石英を含有する.鉱物の不活性は土壌の団粒構造の形成に影響し, 国頭マージの高受食性の一要囚になっている.有機質資材は, 土壌の浸透能に関わる間隙率を大幅に高め, 土壌の理化学性改善に寄与した.人工降雨侵食実験により, 流出土砂量は, 原土, チップ土, 有機肥料土, 木炭土の順に低くなり, 木炭土10%では原土の3割程度であった.Kinematic wave流出モデルに基づいた無次元掃流力および無次元流出土砂量の解析によって, 有機質資材混入の侵食抑制効果が認められた.