農業土木学会論文集
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アオコフロック群の干渉浮上特性
足立 泰久栗田 幸治中村 貴彦
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1999 年 1999 巻 199 号 p. 45-51,a1

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抄録
干渉しあいながら浮上分離するアオコフロック群の移動特性をアオコの濃度の関数として解析した. 一般にフロック群の分離過程はアオコの濃度が高くなると明瞭な界面を形成するが, 本研究で対象としている濃度は界面形成への遷移領域である. この領域では分離過程は初期の比較的急速に進行する分離とそれに引き続くケーキ圧密から構成される. 初期の分離速度については単一アオコフロックの鉛直移動特性と均一な球粒子群の干渉沈降速度に対し得られているRichardson-Zakiの式に基づいて解析することの有効性が, 濃度指標としてアオコが浮上堆積して形成するケーキの浮上容積率を採用することによって確認された. また, 単一フロックの鉛直移動特性に顕著な差異が認められなくても干渉浮上特性には顕著な差異が生じる場合があることが明らかにされた. さらに, 干渉浮上速度の濃度指標として用いられた圧密後の浮上容積率φsdとアオコの濃度cとの関係は比例関係になく, φsdc0.85で近似できることが示された.
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© 社団法人 農業農村工学会
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