抄録
石狩川流域の泥炭地水田地域を対象に, 圃場区画形状の変遷を開拓時期, 造田時期, 土壌との関連から検討した, 圃場区画形状には開拓時期や造田時期等の違いが現在も影響しており, 特に殖民区画が形状を規定する要因となっている. しかし1970年代に実施された圃場整備事業が契機となって, ほぼ現在のレベルの区画形状が一気に形成された. またその結果, かつて見られた区画形状の地域性がなくなり画一化した. 大区画化は州部で徐々に進みつつあるが, かつての圃場整備時にみられた急激かつ画一的な変化ではない, また戦後造田の泥炭地帯では逆に1ha以上の圃場比率が減少するケースも認められた.