抄録
田面水及び水田土壌表層における農薬動態予測モデル (PCPF-1) が開発され, モデルの評価及び農薬流出管理への応用が検討された.酸アミド系除草剤, プレチラクロールのPCPF-1モデルによる農薬挙動のシミュレーションにおいて, 田面水での農薬濃度変化は圃陽実験での実測値を高い精度で予測が可能となった.モデルシミュレーションによる農薬流出制御のための管理手法の設定への応用として, 水管理による表面排水及びシロカキ等の管理による浸透量の違いによる農薬流亡ポテンシャルを比較した.シミュレーションの結果より農薬流出制御のための適正な止水管理と農薬の地下への浸透流亡を制御するための十分なシロカキは水田農業の環境負荷低減のため重要な最適管理策である.