抄録
現在インドネシア国首都ジャカルタでは毎年の河川氾濫による被害軽減のため、下流氾濫域とその洪水の原因となる上流域において総合的な排水事業を計画している。本研究では集水域から河川への流出をタンクモデルにより、河川ネットワークにおける水移動をプライスマン型非定常モデルにより解析を行った。上流の渓流河川においては複合内部境界条件を用いて河床を階段状に近似し、同一スキームでの非定常計算が可能なモデルを構築した。構築したモデルによる実洪水の再現性は良好であり、計画されている事業効果についてシミュレーションにより検討した。