農業土木学会論文集
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突固めた火山灰質粘性土の間隙構造形成における空気の役割
古賀 潔三浦 英晃佐々木 旭
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2002 年 2002 巻 217 号 p. 81-87

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抄録
突固めた火山灰質粘性土の間隙構造形成における空気の役割を明らかにするため, 大気圧下および真空下で突固めた供試体の間隙を軟X線立体造影法を中心に検よ討した結果, 以下のことがわかった.1) 真空下で突固めた供試体は大気圧下と比べて特に湿潤側で密度が高く, 飽和透水係数が小さかった.空気は突固めの際に充填を阻害する働きをしている.2) 毛管上昇飽和した大気圧下突固め供試体では膜状粗間隙が造影されたが, 十分飽和した供試体ではこれが見られず, 団塊を包む膜様の間隙が見られた.3) 真空下突固め供試体では膜状粗間隙は観察されなかった.このことから, 膜状粗間隙は封入された空気が原因で形成されるものと考えられる.
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© 社団法人 農業農村工学会
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