農業土木学会論文集
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火山灰土の分散凝集特性に及ぼす土壌構成成分の影響
北原 はるか軽部 重太郎
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2002 年 2002 巻 220 号 p. 481-487

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抄録
火山灰土の分散凝集とpHの関係を前処理を変えて調べ, イモゴライト, 有機物, 鉄, アルミニウムが分散凝集特性に及ぼす影響を考察した.無処理の火山灰土表土は, 酸性で凝集し中性~ アルカリ性で分散した.火山灰土の粘土成分は酸性で正荷電, アルカリ性で負荷電を発現するのに対し, 有機物は通常のpHで負荷電を発現するため, フィールドでは, 有機物の多い火山灰土は酸性で凝集し, アルカリ性で分散し易い条件にあるといえる. H2O2処理土は, 酸性で分散しアルカリ性で凝集した.特に, 荷電ゼロ点付近では分散し, それより高いpHでは負荷電が高くなるにもかかわらず凝集した.検討の結果, イモゴライトの働きが重要で, H2O2処理土がアルカリ性で凝集する原因は, イモゴライト, 鉄, アルミニウムの複合的な働きにあると考えられた.
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© 社団法人 農業農村工学会
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