農業土木学会論文集
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嫌気ろ床接触ばっ気方式の農業集落排水施設における接触ばっ気槽の窒素除去性能に関する一考察
中野 拓治糸井 徳彰北尾 高嶺
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2002 年 2002 巻 222 号 p. 665-674

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抄録
嫌気ろ床接触ばっ気方式の農業集落排水施設から得られたデータから, 接触ばっ気槽の窒素除去性能について, 流入条件や設計・操作因子による影響を検討し, その浄化特性を考察した.接触ばっ気槽の窒素除去は, 槽内水の浮遊物質の除去と槽内物質等からの剥離・再溶出作用による影響を除くことにより, 1次除去反応によって浄化機構を説明できるものと考えられる.接触ばっ気槽で生成された硝酸態窒素の一部は槽内の嫌気性部でガス化され槽内では硝化・脱窒が同時並行で進行しているものと推察される.また, 接触ばっ気槽では, ろ床の一部で脱窒反応が生じているため, BOD/T-N比による窒素除去率への影響が現れなかったものと推察される.窒素除去速度について, 流入水T-N濃度, 水量負荷, DO濃度, 及び水温を説明変数とする重回帰式を導けた.接触ばっ気槽における窒素除去性能の安定を図るためには, 槽内の硝化反応とろ床への汚泥蓄積速度から, 流入負荷に応じた接触ばっ気槽の設計・操作条件を検討することが重要であると考えられる.
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© 社団法人 農業農村工学会
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