2004 年 2004 巻 229 号 p. 29-36
軽油などの揮発性有機化合物 (VOC) で汚染された土壌を浄化する技術に, 空気またはO2を汚染された個所に送り, 既存の土壌微生物による汚染物質の分解を促す方法 (Bioventing) がある. 従来の研究では, 砂または砂質の土壌を用いたBioventingが多かった. そこで本研究では日本に広く分布する火山灰土壌を用いて砂質土との軽油除去効率の違いを明らかにすることを目的とした. 実験は, バッチ試験とカラム実験を併用し, 強制的な通気を行った際の汚染除去効率や微生物数の分布を調べた。その結果, 乾土1g中の微生物数がほぼ同数であったにもかかわらず, 火山灰土における軽油除去率は砂より劣ることが分かった. それは微生物の活性の違いによるものであると推定された. カラム実験では空気流入部で軽油除去率が高くなった.