農業土木学会論文集
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CVMによる地域用水機能の経済評価
七ヶ用水地区における農村型用水と金沢市内を流れる都市型用水との比較
田野 信博瀧本 裕士村島 和男橋本 岩夫皆巳 幸也丸山 利輔
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2004 年 2004 巻 233 号 p. 571-578

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抄録
CVM解析は, 地域用水機能の価値を貨幣尺度で計る手法の一つとして注目されている. 本報では, CVM解析プログラム (ターンブル法とプロビットモデル) を用いて, 農村型用水の一つである七ヶ用水の経済評価と住民意識について分析する. また, 既報の金沢市内を流れる都市型用水の解析結果と比較をする. 七ヶ用水の解析結果からプロビットモデルのWTP平均値は約6,000円で, ターンブル法の中位平均値と上位平均値の間にあることが判明した. また, 中央値は両法でほぼ一致した. しかし, 金沢用水と比較すると, 七ヶ用水の方がプロビットモデルのWTP平均値で1,900円ほど高い結果が得られた. これは農村型用水 (七ヶ用水地区) と都市型用水 (金沢用水地区) の性格の相違によると考えられ, 負担金を支払って用水を生産. 生活手段の一つとして利用している農村型用水と, 公的な資金により環境整備を行う都市型用水の大きな相違点であると考察した.
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© 社団法人 農業農村工学会
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