農業土木学会論文集
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セメント置換材としての粉末状シンダーアッシュのポゾラン反応評価
Khaled HASSAN服部 九二雄緒方 英彦林 昭富
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2005 年 2005 巻 235 号 p. 1-7

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抄録
本研究では, シンダーアッシュのポゾラン反応を, 粉末状のシンダーアッシュ (PCA) を使用することによって評価した。PCAのSiO2, Al2O3, Fe2O3の含有率の合計は70%以上であり, またXRD分析の結果から, PCAはF種のフライアッシュ (FA) と分類されると考えられる。またPCAの化学組成や鉱物的特性はFAと同じであった。しかし, PCAの微細な形はFAと違っており, 丸くなめらかな表面のFAより, 粗く尖っていた。強度発現特性や圧縮強度値の結果から, セメント置換率20%が最もよい効果が得られると言える。X線回折や走査型電子顕微鏡より, FAよりは少し劣るが, PCAは十分なポゾラン反応を持っていることがわかった。これはCHが多く消費されてもなおCSHやCASHが十分に形成されていないためである。フライアッシュのポゾラン反応がPCAより優れているのは, フライアッシュがガラス質の表面であり, 丸く小さな粒子であるためである。したがって, フライアッシュ混入率30%のものがより好ましいが, PCAのセメント置換率20%のものは, PCA30%置換率より好ましいことがわかった。
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© 社団法人 農業農村工学会
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