農業土木学会論文集
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分布型モデルによる浄化型湿地の配置と窒素負荷除去量の評価
加藤 亮黒田 久雄中曽根 英雄
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2005 年 2005 巻 235 号 p. 43-50

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抄録
霞ヶ浦の北浦流域に位置する畜産負荷が卓越するA10流域を対象とし, 汚濁源と浄化型湿地の地形連鎖が窒素除去量に与える影響を考慮するため, 分布型水質タンクモデルを開発した. まず, 現地調査で土地利用, 水質および流出特性などの入力データの収集を行った. 次に, 対象地区を50m×50mのメッシュに分割し, 各メッシュに標高, 土地利用等のデータを与え, 水質タンクモデルを設定した. パラメータを同定し相対誤差で検証を行ったところ, 無降雨期間の誤差は大きかったが, 同定期間では流量は9%, T-N濃度 (全窒素濃度) は2%であった.浄化型湿地の適切な配置により窒素負荷を除去することを目的とし, 湿地の配置を変化させてT-N濃度と窒素負荷の除去量のシミュレーションを行った.この結果, 浄化型湿地を谷頭に配置した場合, T-N濃度は4%, 流域内で集水面積の大きな場所に配置した場合18%の減少となった.
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© 社団法人 農業農村工学会
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