抄録
土壌構造改善による土地生産性の向上を目的とし, 様々な土壌改良材を混入することにより団粒構造の人工的形成を図り, 団粒が形成された土壌の物理性評価指標の検討を行った. 本研究では, 団粒形成材としてフミン酸, ミミズのミンチ, 石膏を混入し, 透水性, 保水性, 団粒分布を測定し, さらに同試料を20カ月間放置した後に同様な測定を行い, 長期間での土壌構造の経時変化も調査を行った. 全ての試料で団粒形成材を混入することにより保水性を損なうことなく透水性が向上し, 時間の経過に伴い透水性はさらに向上した. また, 団粒率にはほぼ経時変化はみられなかったが, 20ヵ月後団粒径は増大した. 測定結果より, 団粒形成土壌において透水性と保水性は0.5mm以上の団粒率又はMean Weight Diameter (MWD) との間に相関があることを確認出来た.