抄録
開水路の路線選定を行う場合, 路線の周囲の地形が狭小, 急峻かつ屈曲した場所では, 水路の縦断・平面線形を鋭角に屈折させた急流工方式を採用しなければならない.そこで, 著者らは, 開水路の屈曲点においても, 流水制御が可能となるように, 水路の側壁を円弧状 (210°) に設定して, 最大屈曲角度45°の範囲であれば, 屈曲部に流入する高速流が円弧壁に沿ったらせん流に移行して流下できる「らせん流水路」を開発した.本報では, らせん流水路の屈曲角度を大きくした65°と90°の2種類について, ため池の洪水吐への適用を考えた水理模型実験を行い, 安定した流水制御が可能であることを示した.さらに, 技術者がらせん流水路を設計する場合を想定し, これまでの研究成果に基づいて, その水理設計法について記述した.