農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
安定同位体比法による食物網解析の水田水域生態系における展開
森 淳柚山 義人
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 2005 巻 240 号 p. 671-680

詳細
抄録
わが国の水田生態系を理解し, より効果的な保全を図るには, 水田や水路を中心とした水域の食物網解析が必要である. 本稿では, 水田水域生態系の食物網を特徴づける里山と水田の働きを示したうえで, 安定同位体比を用いた食物網解析に関する成果をレビューし, この手法を水田水域生態系に適用する上での課題と展望を論じた.
陸起源有機物は, 藻類と同様に水田水域生態系における食物網の基点としての役割を担っている. 特に谷津田地域における役割は大きく, 藻類や水田由来の有機物とともに食物網を支えている.
安定同位体比による食物網解析は, 水田生態系においても有効であり, 環境との調和に配慮した農業農村整備事業の実施と生態系保全施設の持続に貢献する.
著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top