農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
山間農業集落における水田団地への有害獣侵入経路
和歌山県龍神村におけるイノシシ侵入経路調査から
武山 絵美九鬼 康彰松村 広太三宅 康成
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 2006 巻 241 号 p. 59-65

詳細
抄録

和歌山県龍神村の山間農業集落を対象に, 獣害を引き起こすイノシシに注目し, 生息痕跡を調査することにより山林から水田団地までのイノシシの侵入経路を把握した.また, 水田利用・管理状況を水田一筆単位で調査し, 水田団地へのイノシシの侵入経路形成との関連性を分析した.その結果,(1) 谷沿いの永年性作物転作水田の管理不足により谷沿いにバソファが形成されてイノシシの移動経路 (コリドー) が拡大し, これらの水田が水田団地への侵入経路として利用されていること,(2) 石積み畦畔に比べ土畦畔が圃場から圃場への移動ポイントとして利用される傾向にあり, 約2mの土畦畔でも乗り越えが可能であること, また乗り越えられるポイントは同じ地点が継続的に利用される傾向にあること, を示した.

著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top