富栄養化の原因物質である窒素とリン酸の除去を目的として, ゼオライト質凝灰岩を用いた水質浄化濾材を作製した. 本濾材の特徴は, コンクリート工場から排出される廃セメントスラリーにより, ゼオライト質凝灰岩をコーティングし, 濾材の強度を高めた点にある. 窒素・リン酸の除去能について濾材の回分式試験を行い, 以下のような結論を得た;(1) コーティングが薄いほど, 処理安定後のセメントスラリーコーティングによる窒素・リン酸除去への影響は小さい;(2) アンモニアの除去は主にイオン吸着による寄与率が高い;(3) リン酸除去は濾材に付着した微生物の吸収により除去される. これらの結果より, ゼオライト質凝灰岩のアンモニアイオン吸着能を低下させることなく, 強度を高めた水質浄化濾材を開発することができたと結論づけられる.